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その後のレオーネバン AM-5

 マフラーから黒煙を吐き、今一つ調子の出なかったエンジン、シンクロの弱ったミッション等は
一台、AB5セダン4WDの部品取り用車(事故車)を買って、載せ替えを敢行した。
マウントも交換し、いろいろ手を入れた結果、まあまともに走るようにはなった。
それから結構な間は、実用車として酷使に耐えてくれた。主に仕事の足、荷物が積めるので
実家への帰省にも使った。外観は、手放す数ヶ月前に思い立って全面コンパウンド掛けをして
褪せた部分を修復し、錆びた部分、穴の開いた部分は入念な錆び止めの後缶スプレーで塗装して
当初よりは見違えるようになった。
 どうしても直らなかった部分は、電気系の配線。エアコンの風量調整ができなくなったり、
メーター配線とヘッドライトか何かが絡んでノイズを拾い、メーターの針が変な値を示す等。
フロントガラスに付いていた小傷など。あとAピラー(フロントピラー)の根元は腐食して穴が開き
これは私では直せなかった。錆び止め、塗装してこれ以上の進行を食い止めるのがやっとだった。
手放すに至った一番の理由は、昨今のガソリン高。もうバカみたいに値上がりしている。
私は思う。もう地球上のガソリン、石油が残り少なくなっているのだと。だから燃費の良いプリウス等に
乗り換えるのではなく、ガソリンがあるうちに、もう一度好きな車、乗りたい車に乗っておこう、
そう考えたのだ。 

 このレオーネバンは、使い倒す実用車としては問題無かった。しかし、形は似ていても、乗り味は
AB5-RXとは全然違うものだった。ギヤ比の離れた実用車のミッション、RXよりも遅いステアリング。
ステアリングギア比は、RXが17.5、バンは18.7だが、面白さ、クイック感は断然RXだ。
ハンドルの重さは、タイヤを175/70サイズの乗用車用に替えたら、RXもバンも大差なくなってしまった。
バンに乗って気が付いた事は、結局、ハンドルを切った分だけシュアに動き、パワステという余計な
介在物がない、路面の状況が手に取るように判るRXのハンドリング、アクセルに機敏に反応し、
8000回転まで一気に吹け上がるRXのエンジン、丁度良い配分のギア比のRXのトランスミッション。
バンに乗る事で、RXを見直す事ができたのだ。私の乗るレオーネは、AB-5 RXだけでいい。
そして、ガソリンが無くなる前に、あの思い出の車、スバルに入社するずっと前、学生の時バイト代をはたいて
初めて買った車。一番楽しかったあの車に、もう一度乗ろう。 その為に、バンを手放す事にした。

 最後は悲惨だった。ヤフオクに出したら、3桁のウオッチリストで入札はゼロ。買う気の無い奴の
冷やかしの質問ばかりが嫌がらせのように来る。 あちこち手間と金を掛けて直し、結局捨て値で
買取センターへ出した。数ヶ月後、永久抹消しましたと通知が来た。
 不思議なもので、ああいった古い車は、丸車でナンバー付きの状態では値が付かない。
その代わり解体屋が捨て値で丸車で買取り、それを部品にバラすと、その部品が車本体よりも高く売れるのだ。
同じ型の車を大事に乗っている方々が、どうしても必要な部品を、解体屋は足元を見て法外な値段で
売りつけるのだ。値の付かない古い車が、何十万の部品代に化けるのだ。全く嫌なシステムだ。
そういう現実を勉強することもできた。だから、このAM-5バンは最後まで私の役に立った。いい奴だった。

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こいつに乗っていると、あまり車好き、マニアには見られなかった。
どちらかといえば、古い実用車を使い倒しているケチな奴だと思われていたのだろう。
格好いいとは言われなかったが失笑は買っていたようだ。まあ、それもいいさ。

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このナンバーの車はもう存在しないので。

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サイドシルも塗装し直して、最後は部品取り車から外した綺麗なドア内張りを付けたのだが。

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結局、このホイール、タイヤで出しました。まだ使えるものが勿体無い。

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