1979年,レオーネは2代目に生まれ変わりました。ボディバリエーションは
,2ドアハードトップ,4ドアセダン,バンの他に,ホイールベースを縮めて当時
流行の兆しを見せていたハッチバックボディをもつ,スゥイングバックが仲間入り
しました。エンジンは,スゥイングバックが1300と1600cc,他は1600
と1800ccに拡大されました。トップグレードにはGTSがあり,スバルで初め
てGTを名乗ったのはここからです。スポーツモデルとしては,スゥイングバック
のSRXがあり,1600ccツインキャブエンジンは,1800と同じMAX10
0psを絞り出したのでした。また,この当時53年排ガス規制をパスした唯一のツ
インキャブエンジンでした。(但し,他メーカーはインジェクション化を進めてい
ましたが。ホンダのデュアルキャブエンジン;バラードCR-Xや2代目プレリュ
ード,が出たのはもう少し後です。)またその後のマイナーチェンジでライトが角
2灯から4灯式に変わると同時に,ステップドルーフを初めて採用したツーリング
ワゴンが追加されました。機構的には,初代のものを踏襲しましたが,GTSとS
RXには当時まだ少なかった4輪ディスクブレーキが採用されました。GTSのト
ランクリッドに輝く“4DISCS”のバッヂは忘れられません。(ちなみに,ス
バル初の4輪ディスクは初代RXでした。)サスペンション形式も初代のそれを踏
襲しましたが,細部にわたりリファインされ,フロントにはゼロ・スクラブ ジオ
メトリー,リヤサスもラバーマウントを介したフルフローティングマウントとされ
ました。ちなみに,この2代目レオーネの数ヶ月後に発表された,910型ブルー
バードは,先進のサスペンションと称して,このゼロ・スクラブ ジオメトリーを
盛んに宣伝しましたが,実はレオーネの方が発表は早かったのです。また,4WD
のトランスファーには,副変速機(デュアルレンジ)が与えられました。(180
0のみ)
 ’82年9月のマイナーチェンジで,レオーネの歴史に新たなページが刻まれる
ことになりました。スバル初のターボチャージドエンジン搭載車と,ツインキャブ
エンジンの競技用ベース車 2代目RXがデビューしたのです。ターボエンジンは,
今日のレガシィGTへ続くルーツとなるもので,OHVのままインジェクション化
を図り,ターボを搭載し,OHVのEA81系エンジンとしては最高の120ps,
19.0kg-mを誇りました。ただ,まだそのパワーに見合うマニュアルトランスミ
ッションがなかったからか,3速ロックアップ付きATミッションのみ組み合わさ
れました。ツインキャブのRXは,今日のインプレッサWRXに繋がる,競技ベー
ス車のルーツとなるもので,今日のスバルの方向性を決定したと言ってよいでしょ
う。(このクルマについては,後ほど詳細に解説致します。)このように多様なバ
リエーションを展開しながら,2代目レオーネは’84年まで生産され,3代目に
バトンを渡しました。但し,この2代目ベースのブラットだけは,永く,’93年
頃まで生産されました。(輸出専用車なのでご存知の方は少ないかもしれません。
一部の書物で’87年型が最終と書いてありますが,私の入社した’92年には
まだ本工場で新車を作っていました。)

 (写真は'82年式 セダンGTS(FF)です。)


  

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