レオーネ塗装日誌 (素人による素人の為の塗装講座)

プロローグ;

  レオーネの塗装の痛みが目立ってきた。ここ1年くらいの間に,ルーフとフードの
塗装がひび割れてきた。もともとこのクルマは前の持ち主がオールペンしてツートーン
に塗ってあったのだが,それから10年くらいも経つだろうか,フードはその間一度塗り
直したはずなのだが,クリアが剥げて浮いてきた。ルーフも点々と下地,地金まで出て
いるところがある。塗装屋さんに頼むと,剥離塗装(旧い塗装を一度薬品をかけて剥が
して塗り直す)になって,高くつくなあ。かといって,このままじゃ錆びちゃうし...。

 という訳で,自分で缶スプレーを使って簡単に塗り直す(ごまかす)ことにした。
元色と同じ色に塗ろうかとも思ったが,このレオーネの色の缶スプレーなんて無いし,
色がぴったり同じになるはずもないので,思いきって全く違う色に塗ることにした。
でも,赤や黄色ってわけにも...てな訳でこのクルマのツートーンの下部色,シルバー
に塗ることにした。

  準備したもの;

@ 缶スプレー ; プライマー, シルバー(カラーベース), 及びクリアー  多数
A サンドペーパー(耐水) #180,#240,#400,#800,#1000,#1200
   の各番手2〜3枚
B サンディングブロック(あてゴム)
C ガソリン少々
D バケツと水と雑巾
E マスキングテープ,新聞紙

 (使用した缶スプレー ポリビンに入っているのはガソリン)

  手順 
(1) まず洗車 (あたりまえ?)

(2) 下地出し;まず錆びが浮いていたら金ベラ,カッター等で落とす。
   下が錆びて,塗装が盛り上がっているところは,カッターで切って出来るだけ錆びを
   落とす。(でないと後でそこから剥れてくる。)出来るだけ錆びを落としたら,錆び止め
   塗料(ジンクプレート;亜鉛塗料)を塗る。凹み,穴等はパテで埋める。
   パテによっては,15分くらいで硬化するものもあるが,パテは硬化後必ず肉ヤセする
   ので注意(翌日研ぐ,または少し多めに残す)。平らになったらサンドペーパーで研ぐ。
   パテを盛ったところは#180番で粗研ぎ,その後#240,#400と細かい目のサンド
   ペーパーで仕上げる。傷,錆び等無い普通の塗装面を塗りなおすときは,はじめから
   #400番で丁寧に研げば充分でしょう。広い範囲を研ぐ時は,サンディングブロック 
   (あてゴム)を用いると作業し易いでしょう。 私のレオーネの場合,パテは使いません 
   したが,塗装が剥げかかっていたので,#240番で粗研ぎをして,出来るだけ 浮いた
   塗装を剥がしました。 注意することは,#180,#240番の荒いペーパーで力一杯
   研ぎすぎないこと。研ぎ跡が消えなくなります。こんなときは,研ぐ方向を考えて,最初
   たて方向に研いだら,次は横方向,その次は斜めというふうに,同じ方向で研ぎ過ぎ
   ないようにすると,研ぎ目が目立たなくなります。研いだ後の研ぎ粉は充分落としてお
   きましょう。 (使用したもの;サンドペーパー #180,#240,#400番,サンディ
   ングブロック, パテ,カッター等,適宜)

      


(3) マスキング;塗装する個所の付近で,塗料がついてはいけないところをマスクする。
   マスキングテープ,新聞紙を使用。隙間が開かないようにしっかり塞ぐこと。

   (写真は塗装後)

(4) 塗装する前に,塗る面の脱脂をしなければなりません。本当はホワイトガソリンが
   あればベストですが,私は普通の赤いガソリンをウエスに付けて,塗装する面全面を
   拭きました。

(5) いよいよ塗装ですが,まずプライマーを塗ります。最近はプライマーの色も選べるようで,
   上に塗る色によって,プライマーの色も選べばよいでしょう。上塗りが白,黄,赤,なら
   プライマーは白,上塗りが緑,青,シルバーならプライマーはグレーがお勧め。
     また,黒,紺,濃いグレーなどの濃色の上に,白,赤,黄色などの淡色を塗るときは,
   プライマーの上に1回白を塗ると,上塗りがキレイに塗れます。
   プライマーを塗り,それが充分乾いたら,#800番のサンドペーパーでなでるように
   研ぎます。 余分な凹凸を無くし,上塗りの密着性を高めるためです。
   力一杯研がないように!研ぎ跡がつきます。 

(6) 上塗りです。メタリック,マイカ色の場合,当然ですがカラーベースから塗ります。
   被塗物とスプレー缶との距離は10〜20cmくらい,今回のように屋外で塗る時は,近め
   のほうがいいでしょう。但しタレないように,素早く缶を移動させます。
   ロボットにでもなったつもりで,一定の速度で缶スプレーを右から左,左から右へ移動
   させます。(タレないように素早く,1箇所で動きを止めたまま吹くと,いっぺんでタレます。)
   重ねて吹くときは,今度は左右ではなく上下に動かして吹いてみましょう。さらに塗り重ねる
   時は,また左右に動かします。(研ぐ時の方向とおんなじように)
   カラーベースの目的は,色を付けることですから,色がムラ無く塗れれば良しとします。
   上から見ても,横から見ても,斜めからみてもムラが無いように見えればO.K.。
   カラーベースを厚く塗りすぎると,クリヤーが吸われて,ツヤが出ません。注意しましょう。
   ソリッド色(メタリックやマイカじゃなく,クリヤーを塗らない普通の白,黒など)の場合は
   厚塗りして結構です。(タレない範囲で。)

(7) カラーベースが塗れたら,今度はクリヤーを塗ります。出来ればカラーベースを塗って
   から一晩置いた方がツヤが出ます。(どうしてもある程度カラーベースに吸われる)
   塗り方はカラーベースと同様,ただ,クリヤーは厚めに塗ったほうがツヤを出しやすい。
   塗り重ねるときは,下がある程度乾いてから塗りましょう。(指で触ってべとつかない
   程度)まあ,3回以上は重ね塗りしましょう。

(8) クリヤーまで塗れたら,塗装作業は終わりですが,このままでは,まずツヤは出ません。
   磨いてツヤを出すわけですが,缶スプレーの場合,乾いてすぐ磨いてはいけません。
   最低2週間,できれば3週間あいだを空けてから磨いて下さい。乾いて1日,2日くらい
   では,塗膜はまだとても弱く,コンパウンド中の溶剤分でも溶ける可能性があります。
   ガソリン等強い溶剤は厳禁です。普通のアクリルラッカーで3週間,2液ウレタン塗料
   (デイトナの缶スプレーなど)で最低3日必要です。ただ,この間に雨など降っても大丈夫
   水で溶けることはありませんから。  磨き方は,コンパウンドの目の粗い順に粗目,
   細目,極細,の順にかけましょう。フランネルの布を使うとよくツヤが出ます。
   あまりにツヤが出ない場合,また広い面積を磨く場合は,ポリッシャーを使うと楽です。
   市販の電動ワックス掛け機などでも磨けますが,こればかりはプロの使うポリッシャー
   とコンパウンドが使えればベストです。また,どうしても酷いサメ肌になってしまった時
   は,磨く前に,#1200以上〜#2000番くらいのとても細かいサンドペーパーで,
   そ〜っと磨いて(なでて)からコンパウンド掛けするのも手です。(研ぎ目をつけないように)
   私の場合,#1200番でなでてから,修理屋でポリッシャーを借りて磨きました。
   磨いてすぐは,塗ったところがやけに目立ちますが,1週間くらいで色が褪めて,目立たなく
   なります。(ややマシになります。)

エピローグ;
   最初はルーフとボンネットをシルバーに塗ってみたら,ものすごいサメ肌でまだらに
   なってしまいました。ポリッシャーで磨いて,なんとかツヤは出ましたが,ムラが収まりません。
   (メタリックの粒子の並びがメタメタ〜みたいな;) また,下地の凹凸(塗装の割れた所)
   はどうしても誤魔化しきれません。しかたがないので,後日ボンネットの真中だけ艶消し黒
   に塗りなおしてしまいました。(ベレGになってしまった ~~;)

 (写真では分かりずらいが,まだらのサメ肌)

 

(ボンネット ベレG 後).....やっぱり変!

 おまけ;フロントグリルも塗りました

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