AB−5 RX について。

 RXの話をする前に,その前身とも言うべき,AF−2型 SRXについても触
れておきましょう。 ’79年,2代目レオーネ登場と共に,スゥイングバックの
ホッテストモデルとして,1600SRXがデビューしました。そのエンジンは,
当時唯一53年排ガス規制をクリアしたツインキャブエンジンで,専用の高圧縮比
シリンダーヘッドやハイカムを与えられ,OHVながら100psを発生しました。
サスペンションも専用のチューニング,前後ともにスタビライザーが与えられまし
た。ブレーキも4輪ディスク(このへんはGTSとも共通ですが,)トランスミッ
ションも専用のクロスレシオ5段,ステアリングのギヤレシオも専用の17.5のクイ
ックレシオ(勿論ノン・パワーアシスト;ちなみにGTSはパワステ付きで18.7),
インパネにも電圧計,油圧計が装備されました。このモデルは一部の熱狂的スバリ
スト達によって,主にラリーやダートトライアルに好んで使用されました。このS
RXはFFでしたが,’82年9月のマイナーチェンジで,2ドアハードトップの
4WD RXが登場しました。 エンジンは1600のストロークをアップした1
800ツインキャブで110psを発揮し,シリンダーヘッドも専用の高圧縮比タイ
プ(9.5)クイックステアリング,リヤスタビライザー,ハードサス,クロスレシ
オのトランスミッション(但し4速)といったお約束の装備のほかに,4WDの
デュアルレンジのギヤ比も変更を受け,またリヤデファレンシャルには初のリミ
テッドスリップデフが装備されました。またタイヤは初めてポテンザRE86,
アルミホイールも標準装備でした。フロントブレーキには初のベンチレーテッド
ローターが奢られ(但しリヤはドラム;この方がバネ下は軽いかも,)その他にも,
剛性をアップしたフロントのストラットマウント,フロントのロアアームも補強
の入った専用品,実はエンジンの排気系(エキマニ)も径を拡大した専用品,エン
ジンのアンダーカバーも頑丈な鉄製のアンダーガード(もどき),さらにリヤのドラ
イブシャフトのジョイント部(ブーツ)の前に,小さいけれどブーツガードまで付い
ている!まさに専用部品だらけのこの車が実は注文生産車で,1000台に満たな
い台数しか作られていないことは,今の効率,コスト最優先の見地から見れば,驚
異としか言い様がありません。(現行のSTIバージョンでも各モデル毎,合計
1000台以上は軽く作っているでしょう。)このRXはレオーネシリーズがフル
モデルチェンジする’84年まで凡そ2年弱の間作られました。

(参考に'84年式AA型RXのカタログ裏表紙を添付します。AB−5 RX の
国際ラリーでの戦績が載っています。しかもその下の写真は,ルノー5ターボ
にアオられています。)

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