初代レガシィ(BC,BF型) について

  この型が登場してから,もう10年以上経ちます。
1989年1月,それまでのレオーネより一回り大きく,上のクラスを狙った,レガシィが
登場しました。当初はセダンのRSがフラッグシップモデル,このモデルだけターボエン
ジン,マニュアルミッションのみの構成,2.0リッターNAのVZ,TZが上級モデル,その
下の1.8リッターは,Vi,Ti,Miなどがありました。’91年のマイナーチェンジではTZが
消え,VZ−RとかBrighton,220Brightonなどが追加されました。殆どのグレードで,
FF,4WDが選べましたが,販売台数の凡そ8割は4WDが占めたそうです。ただ,発売
当初は,それまでの安価なレオーネからのシフトに,ユーザーは対応できず,売れ行き
は芳しくありませんでした。特に北米では,それまでのレオーネ(=安グルマ)のイメージ
を払拭できず苦戦し,それが富士重工空前の赤字を生む原因ともなりました。ワゴンGT
が追加されてからの大ヒットにより,ワゴンブームを到来させ,主役の座に君臨したのは
ご存知のとおりです。この型はモデル末期の’91年頃でも月1万台の販売を記録しまし
た。

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  スタイリングは,各ピラーを細く見せるよう,ピラーの上にガーニッシュを取り付け,
これが特徴となっています。窓が大きく,視界も良好,また当時流行のブリスターフェン
ダーを取り入れた安定感のある形です。ボディ剛性も,当時の他メーカー車よりはずっ
としっかりしたものでした。燃料タンクをリヤシート下へ配置し,スペアタイヤは遂にトラ
ンクへ移されました。バンパーすぐ上から開く大容量のトランク等,使い勝手も考慮され
ました。

磨いてきたのは,走りです。


 
  EJで始まる型式名を与えられたエンジンは全て新開発,遅れ馳せながら4ヴァルブ
ヘッドが与えられ,電子制御燃料噴射装置(EGI)も採用されました。点火系も,2リッター
のEJ20系はデスビ,プラグコードの無いダイレクトイグニション,白金プラグも採用され
ました。シリンダーブロックも剛性の高いクローズドタイプ,クランクシャフトはやっと5ベア
リング支持となりました。RS,RStypeR,GTのエンジンはインタークーラーターボ化され
オーバー200psのパワーを与えられています。インタークーラーは水冷式,油圧制御の
ラッシュアジャスター(ヴァルブクリアランスを一定に保つ仕組み)を備えるのは初代BC,
BF型の特徴でもあります。RStypeRをベースに,クロスミッション,鍛造ピストン,バランス
取り,吸気ポート研磨を施された特別仕様が,typeRAです。競技専用車両として開発され
ましたが,この時代,国内ラリーでは240psを発揮したギャランVR−4のほうが若干速か
った為か,多くは作られませんでした。このtypeRAは今でもプレミアム付きで取引されて
いるようです。
  足回りも新設計,フロントはL型ロワアームを持つストラット型,リヤもデュアルリンク
式ストラットサスが採用されました。ブレーキはGT,RSは4輪ベンチレーテッドディスク,
VZ,TZもリヤはソリッドのディスクブレーキ,このレガシィから,駐車ブレーキがやっとリヤ
に移されました。4WDメカニズムは,AT車がアクティブトルクスプリット,MT車はビスカス
カップリングのセンターデフを持つフルタイム4WD(1.8Miはパートタイム4WD)でした。
これらのメカニズムはその後のインプレッサ,2代目レガシィ,フォレスター等に受け継が
れていきます。その源流がこの初代レガシィなのです。

 

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